書評

朝、目覚めると、戦争が始まっていました(方丈社編集部/編)の感想

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太平洋戦争開戦時のことを記録した本、「朝、目覚めると、戦争が始まっていました」を読みました。
その感想です。

<本の概要>
1941年12月8日の朝(日本時間)、太平洋戦争開戦の真珠湾攻撃のニュースを聞いた、各界著名人の言葉をまとめた本。
 

<感想>
思いのほか、開戦を歓迎したり淡々と受け止める人が多いのに驚いた。

おそらく、以下2点の背景があったためだろう。

①広く国民の中に、「最近の外交では欧米に好き放題されている」という意識があった。

②「自分たちが犠牲になる確率は低い」「戦争は遠い場所に日本軍が進撃するだけ」という考えがあった。
これは、その前の日清・日露戦争では朝鮮や満州が主戦場であり(=本州や九州に被害がほとんどない)、実質2戦とも勝利したことによると思う。
 

もっとも、当時の政治家・軍人は、それなりに正しく戦力を分析できていたようだ。
これは元首相・近衛文麿が軍人・山本五十六から聞いた言葉としてわかるのだが、「そもそも数年戦えば勝ち目はないから、短期的に奇襲だけして後は外交」という作戦だったらしい(結果的にお互い引くに引けなくなり、多大な犠牲が出たわけだが…)。
 

さて、国民が開戦を意外にも冷静に捉えていた点について、この本のまとめでは「正常性バイアス」が原因として挙げられていた。
しかし、どうもそれだけではないように思う。

上述の通り、日本人も日清・日露で浮かれていたと考えられるし、東京が焼け野原になることなんてこの時は微塵も想像していなかったのだと思う。
 

とにかく、お互いが傷つけあってやっと和解する・学ぶというのでは愚かすぎる。

これからの未来は知恵を絞って冷静に、戦争を回避してほしい(していきたい)ものである。

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